こんざい/りこ
 
2月をたゆませて泳いだ
3月には疲れ切って本当の魚のようになった
あやふやな優劣の判定を何度か食らって
何度かはがれ落ちたうろこから
弱い部分を見せた
よわい人が
尾びれとか背びれとかを動かしながら
立ちすくんでいる


とうめいな声と、
とうめいな涙で
構成されている
ということにしているんです
女子高生という名前は可愛らしいものでした


スカートたちの集団生活を終え、
わたしたちは解放へ進もうとする
前も後ろも見えなくとも
そうしなければならない


わたしは、
わたしの、とうめいではない涙を見て
そのうちまた、涙を流すので
そのうちきっと
思い出したいひとが溢れてくる


さようならは告げないけれどいなくなりたい
なんてわがままを言う間もなく
あなたという人は色あせて
過去という名前に変わる

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