メカこいさん/平瀬たかのり
いて
噴射しはったジェット水流の勢いが強すぎて
苔ごと吹っ飛ばしたからですわ
こいさんのやさしい気持ちが
ああして残ってるのを見ると
わて、わて
ギ、ギガガ
三年、三年待っとくれやすこいさん
立派に修行積んで三年経ったら
きっと一人前の板場になって帰ってきますさかい
そしたら、そしたらこいさん
そのときは晴れて、晴れて
夫婦に
こいさん
ギ、ギガガ ウィ、ウィイーーン
ひしっ
ガチャッ
あ、こいさんちょっとキツイ
こいさんキツイです
キツイってこいさん
こ、こいさん、ほら、わての骨ボキボキいうてる
こい、さん、わて、鼻血出てきた
こ、いさ、ん、わぁ、耳血も出てきた
あー、あー
あー、わて、もうあきまへんわぁ
うわっ、目ん玉落ちよった
こいさん
三年、待てまへんでしたかぁ
ギ、ギガガガガガガ
[参照及び一部引用 十二村哲作詞(飯田景応作曲、藤島恒夫歌唱)
「月の法善寺横丁」]
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