桜の木の下で想う/あおば
 
         130314




まずはおめでとう
年度末は
がんばったねぇと
誰かが祝杯を挙げる声もして
今日も花霞の空が続く
花と空と地との境目も無くなって
夢のような気もするが
突然の
気をつけろ邪魔だの罵声に
いつかの
煙霧の空を思いだす
余りの不気味さに
恨みも忘れ逃げ場所を求め
風下へと急ぐ間にも
圧倒的な力に一気に吹き飛ばされた
ビニールハウスからは
窒息させられたホウレン草の萎びた青が見えた
あまりにも情けない空の仕打ちと
勝てない相手とは知りながら
おめでとう頑張ったねえの言葉が素直には耳に入らない
頑張ったのは空なのか君な
[次のページ]
戻る   Point(8)