眠れる森の/月乃助
うに
すべてを変える
「「 次の時、私は男になっていた
「「 おまえさんの話は、
フィニキアの船乗りほどの 大嘘だね
あたしは、同業者は占わないよ
ネクタイすがたの私のまえで、
花街にすわる老婆が、すりへったカ‐ドを弄ぶ
つぶやくように
咎めるように
「「 俺は、なんになろうと心を砕く
あした 俺は、女の時に焼いたブラウニ‐を口にできるのか
あの芳醇な 濃厚なカカオの味を
男の俺が、まったくおなじ悦びで味わえるというのか
「「 しらないね、蛇を叩いた酬いさ
2000000の卵胞の おまえさんは、300の卵を生み落とした
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