過剰な砂浜/小川麻由美
有機体に満ち溢れているのに
荒涼とした味を覚える
過剰な砂浜
砕けた白波は強風のしわざ
風が存在を知らしめるかのように
砂が無数の線となり砂浜を埋め尽くす
自分の意志で砂浜に立っている
そのはずだ
砂浜に立つことは 必然なのか
砂浜に立つことは 偶然なのか
砂浜に立つことは 意志なのか
意志により必然の道を辿り
必然は偶然を内包する
自然の摂理への渇望から
自分はこの砂浜に立ったのかもしれない
たぶんそうだろう
自分の意志で砂浜に立つ わたくしは
必然的に自然に驚愕した わたくしは
必然に内包された偶然を わたくしは
ささやかながらも 強く
無意識かもしれないが わたくしは
偶然をも渇望しているかもしれない
過剰な砂浜は
思考をも過剰にさせるのかと
自分である わたくしが 思考したところで
引き寄せる波に かき消される
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