それぞれの雛/黒ヱ
 
を包む
その中で ようやく咲いた芽
「何故だか 届くような気がして」
あなたはそこに
私はここに

水平線割り 光り出す
聞こえぬ便りがあってもいい
「また 夢を見たよ」
あなたの

花はいずれ咲く
記憶は飛散する 散り行く桜の如く
また 何度も 何度でも咲こう
「会いに来たよ」
優雅で華奢な花
何色にも染まり 何でも染めれる
極染色の花

透き通り 飛び交う蝶の好む
相求めた 優しい容

それは
お互いの幸を奏で 照らす
本当に 
そう とても 薄い彩

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