幸福な繭/月乃助
 


垣間みる日常の
目の前に車が轢く幼児の 母の瞳や
男たちに次から次に犯される少女の地獄
いじめに校舎の屋上から飛び立つ少年の 最後の呻き
ステ‐ジ4の告知に歪められた 男のくちびる
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「 だめ、比べては、
 
 繭に耳をあてて聞いていた 雪ん子の声らしかった




私は、
心の棚につもる 邪(よこしま)なチリをはらい
歴史に名をなす 嘘つきたちのあらゆる金言を棄て去ろうと
心を傾ける


いつか、


繭のなかで
私の肩甲骨は、軟化をはじめ
背が疼き
それは、純白な翼へと変わっている



私は、
雪のなか
越冬する蛹(さなぎ)のように その時をまっている






}


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