落日/オキ
 


暮れなずむ冬道を

人は家を目指して

せかせか歩む


一つ路地を曲がると

落日が

真っ赤な柿の実のように

目に飛び込んできた


夕日よ

こんなにも力を残していて

反抗の礫を

人にぶつけたいのなら

いっそのこと

その位置から

もう一度昇れ


そうして思う存分

寒空を焦がし

ぎらぎら照りつけ


人を寝かすな







戻る   Point(2)