芸術における閉鎖性についての論考/小川 葉
 
の作品を出品する場所、および出品する文化圏の選択を間違えているように思う。
フランスやイタリアと言っても、そこは大きな田舎で、その田舎にいかに最適化させた作品を出品できるかということである。
日本の都市から見たら地方は田舎であるように、田舎から見た都市にもまた同様の、閉鎖された田舎的な特性がある。都市では当たり前のことが地方にはないように、地方では当たり前のことも都市にはないのである。
詩という芸術分野においても同じことが言えそうである。私がリスペクトしている、まどみちおや、石垣りんの作品をオマージュする形で、自らの詩世界をうまく表現できた時、主観的な表現で詩を書いた時よりも、評価されることが多いように感じる。
上手な詩人の作品からは、過去の優れた詩人の作品をリスペクトし、オマージュした形跡を、顕著に発見することができる。
 
 
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