朧に謡えば/石田とわ
 



       靜かな小夜の幕が落ち
       氷がカランと啼きました
       喉を刺すのは涙の小骨
       盃を重ねど取れませぬ
       刺さった小骨持て余し
       酔うて朧に謡います
       春まだ浅い夜でした









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