ハッピーエンドに眠らせて/月形半分子
図書館の
古い本の最初のページに
白い骨と鉛筆で書いてみる
なんて事はない
恋愛小説の始まりに
少し読み進み
骨を包む新聞紙を取って来て
と鉛筆で書いてみる
別に恋愛小説が
退屈な訳ではないけれど
真ん中あたりまできて
スコップは?
と鉛筆で書いてみる
ラブシーンはやっぱり素敵
後半をすぎて
ここに穴を掘って!
と鉛筆で書いてみる
恋愛小説は泥沼状態
最後のページに
さぁ、この穴にお入り
と青いインクで書いてみる
恋愛小説はハッピーエンド
素敵なハッピーエンド
解説を破り捨てて
埋葬許可証を提出する
静かな私の夜
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