戯曲(習作)/星☆風馬
にもかも忘れてしまいたい」
せむし「大したことじゃない」
奈津 「真夜中にスクランブルした戦闘機の爆撃音の残響がノイズになっていくと
わたしはわかってしまった
なんだ、何もないんだね
この世界は何もないんだね」
せむし「そう、なにもない(退場)」
―照明―
奈津 「ねえ、お母さん。ブラジャー買って」
母 「ああ、ブラジャーね」
奈津 「わたし、もう中学生よ。ブラジャーつけないと男子に変な目で見られるんだか
ら」
母 「ああ、そうだね。もうブラジャーつけなきゃね」
父 「お母さん、そんなことないよ。奈津
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