詩と感傷について/まーつん
 
いセックスをしている恋人たちの寝室に踏み込んで、カーマ・スートラを片手に振り回し、「お前らこれを読んだのか。ここにはもっと優れた体位が載っているんだぞ。勉強しろ。努力が足りん」と言うようなものなんですね。

 まあ、野暮というのか、余計なお世話なわけですよ。

 ね、エラそうなもの言いでしょう、僕も。僕だって自分を偉いぞと思う気持ちはあるんですけれどもね。小さい人間なもんですから。でも、あからさまに誰かを見下したくはないわけですよ。そんなことをしてしまう愚かさと後悔を、身をもって経験したんで。それに、そうされる悔しさを、日々味わってもいるもんでね。

 で、話を元に戻しますとです
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