詩と卵/オキ
 

詩というのは

作るもんじゃなく

生まれるもんなんだな

ぽこっ ぽこっと

卵みたいに


たしかに

卵を産む鶏は

息んで呻吟してるさ

だが卵は

親の心子知らずで

ぽこっと

涼しい顔して

生まれてくるんだ


詩もそういうものかもしれない

詩人の人生は苦しみの連鎖だよ

けれども詩はそんな詩人から

単独行みたいに

あっさり

ぽこっと

生まれてくるんだな


戻る   Point(3)