【五つ】/るか
 
は呼吸だけがある


動物的な虹の音階で 交響する永遠の朝と 風


陶器のうえで刃物が泣いている


おう、
そうそれは 未だ届かない手紙を待つ日々の物語だ
けして一つではない
震える手許の物語だった


全て忘れるものは焚き上げられるがいい
残酷な蒼天それが春の殺戮だから 地平線まで続く死屍の数だから


千年の約束
みなしごの名前はどなたが名付けられますか
みなしごの名前を


重ね合わされた手が祈る歌に耳を塞いで
そんなにも
そう、枯れ果てた瞳孔の空虚がいままっすぐに見上げているものは何か


落魄せよ
落魄せよきみは あかく あかく


だが「時」はひしゃげた燃えさしのように
黒焦げの向日葵のように
風景を見つめ返す
消失点に
いる









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