【 冬の吐息 】/
泡沫恋歌
凍てついた北風に
千切れそうな私の耳が
ちぢこまって 蝸牛
冬枯れた街には
緑も少なく 小鳥もいない
鉛のような 空が重たい
春がこないかなあ……
声に出したら
一歩だけ 春が近づいた
そんな気がする 桜草
見えない季節を
毛糸の手袋で包み込む
白い綿飴 冬の吐息
2013/02/02
戻る
編
削
Point
(20)