明くる日の丘/山中 烏流
 



風に騒ぎ立てる木の葉の影を踏んで、はしゃぎまわる
子供たちを見ていた

庭先で香る金木犀を指して
あなたは今日も
幸せそうに、笑う





恥ずかしいものばかりを選び取って
名前を付けては
過ぎ去っていく/遠くなる
日々、

思い思いを口走った彼らが
瞬く間に消えていってしまうのを
わたしたちは
いつも、いつまでも、いつになっても
カーテン越しに見送った


耳鳴りのように
それ
は、すぐ近いところで
わたしの名前を呼んでいる



残像のように
あなたの手を引いて、丘を下るわたしの影と
綺麗な花が揺れていた

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