白が虹むところ/あおば
となく口が開き
上の方から粉薬のように呑み込まされるのだ
その先は分からない
難解なことばの断片を直接吸い込むのだから知識も染みこむように身に付くのだと言
いたそうな顔を向け
だけど結核になるかもしれないぞと脅す人も居て
黒板とチョークの組み合わせは怖いなと思ったことを思いだす
(論争に負けたホワイトボードは演習室の片隅で小さくなって何処かに貸し出される
のを待っているが、コピー機能が無い旧式だからこの先も出番は多くないだろう)
しかし、マルチメディアに慣れ親しんだこの世紀
古くさくはた迷惑な黒板が威張っていられるのはいつまでだろうかと思いながら
今朝も大教室の黒板の表を丁寧になんども拭う
初出 「あなたにパイを投げる人たち」の即興ゴルコンダ(仮)
http://anapai.com/tanpatsu/goru/
タイトルは、かんなさん。
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