白が虹むところ/あおば
130131
ホワイトボードと黒板との戦いは
遠方の席からも良く見えるとの
力強いボスの一声で黒板の手が挙がる
漢字の勝利ですと僕は囁くように呟いて
今朝も飛び散ったチョークの粉を拭いている
電動クリーナーが唸り
黒板消しも力いっぱい叩かれることもなくなって
イレーサーのことばが口に馴染んだ頃には
子供たちは卒業してゆくのさ
書き連ねる度に飛び散った白墨の粉が咽せる
タバコのようにはきつく臭わないけど
屈託ありげに舞い散って
夕方には教壇を白っぽくしている
最前列の子供たちは上向きに黒板を見あげ
ノートに書き写したりするたびに
なんとな
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