孤独な魚雷/within
 

立ち向かう
襲いくる冬の群れに
羽ばたく白い翼
つくりものではない鳥の群れ
うそをうそと認めずに
ほんものらしく
あるように

ほんものらしさに
目を奪われて
なにがほんとで
なにがうそか
そんなことは
忘れてしまった

うそと
ほんとを
突き抜けていく
孤独な魚雷

立ち向かう
立ち尽くす
目の前は真っ白だ
撃ち放たれたわたしは
まっすぐに
中心を目指す

ほんものが羽ばたいたなら
にせものは
船とともに
もうすぐ沈む

いっしょに
自転車に乗って
旅に出よう
ほんものらしさを
脱ぎ捨てて
うそはにせもの
孤独な魚雷と海に沈み
ほんものはどこかへ
飛び去った
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