【HHM参加作品】エロい詩(感想文と妄らな空想)/木屋 亞万
 
ども、あるいはやがて合一してひとつの受精卵となる精子と卵子として語られているような気さえしてくる。
さらに、市井の猫は夜な夜な周囲に響き渡る声を上げながら交尾するという、私の個人的ステレオタイプも相まって、「猫」は紛うこと無きエロさを持った詩であるように思えてしまうのである。
「猫」は「男女の営みの真っ最中の家の屋根の上の猫の会話」という官能性だったが、一方の「月夜の浜辺」は後の祭り的な事後の孤独を思わせる。この「月夜の浜辺」での主なできごとはといえば、「ボタンを拾って袂に入れる」というだけである。
この落ちているボタンに対して、みなさんはどのような想像を働かせるだろうか。私は野外での男女の
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