ある夢のお話し(エッセイ)/Lucy
 
、幼い子どもを育てていた頃のいとおしさの記憶に今も縛られているんだろう。そんな深層心理なのだと考えて余計に寂しくなるのでした。

しだいに冷静になりながら私は思いました。こんなことでは「おれおれ詐欺」の類にはまちがいなく引っかかるだろう。誰かが息子の名をかたり、「かーさん助けて」と泣き声で電話をかけてきたりすれば、たちまち盲目の母性が私の中から現れて、「大丈夫だよ待っていなさい、お母さんが助けてあげるから。すぐに振り込んであげるから!」と、矛盾にも気付かずに、死に物狂いで財布とキャッシュカードをつかみ、髪振り乱して走り出すのだろうなと・・・。

本当に、気をつけようと思いました。

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