【HHM参加作品】非連続/深水遊脚
かれた世界の大きさから考えれば小さなものを連想させる小道具に思える。ただしそれは、この世界のなかに無理やり水道の居場所や、モノクロ写真の居場所を作ろうとすれば、の話だ。水道は人間を包む水と寒さを示した。それではモノクロ写真はどうだろう。時の経過を示すものではないだろうか。第1連から第3連までを過去の出来事としてこの連に関連付けることも(関連付けないことも)できる。「いのちを無くした紙」は、かつてそれにいのちが宿っていたことを連想させる。いのちは、色なのだろうか。
深読みする作業を通じて、連続する何かが見えてきた気もする。でもこの詩は、あくまで部分、部分の言葉に踏みとどまって、最大限各部分の言葉がもつ力を膨らませて読んだほうが魅力的に思える。膨らませた言葉の力が、混じり合うことによってその力を相殺されることなく、全体として作品から来る力が読み手自身の中で高まってゆく。そんな読み方もきっと楽しい。
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