海よ/
Lucy
僕はたくさんの「なぜ」を
君の底に 沈めてきた
たくさんのことばが
僕から出て行ったきり
くらげのように
永いあいだ 漂っていた
海よ
君は思い出の中に
僕を沈めて
遠く 光っている
丘を登っていく僕の手の中には
あるんだ
かたく ひらべったい
白い貝殻のような
僕の言葉が
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