つるべ落とし、のような/
高原漣
ある日、自我(イド)の底に溜まった汚泥を掻きだしていた。
その泥を天日に干して固めたレンガをぶつけあう祭りがあると聞いた。
延々と風景のガンマ値が上がり続けて
まっ白になってなにも映らなくなった。
すべてが色褪せて見えるようになり
くろい夜空の底でこんこんと眠りつづけるスピカが
不退転の心臓を見つける
くらい自我(イド)の底で
想う我は想う故に
光る魚になって
流れる
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