「のっぺらぼう」/元親 ミッド
新宮、古賀を抜けて、福津に入ろうかというとき
僕は、唐突に、「のっぺらぼう」に出くわした。
それはいきなり現れて、国道沿いに突っ立っていた。
真っ白い顔をこちらに向けて、あるはずの無い目が、じっとこちらを見つめていた。
そうして、ひらかぬ口の口角が少々つりあがり、にやりと確かに笑った。
「のっぺらぼう」は3体もいた。寄り添うように3体もいた。
嫌がおうにも目が引き寄せられる。
どうしてだ。なぜだ。見る価値などあろうはずもないのに。
その「のっぺらぼう」に遭遇するまでは、いつもの「退屈な日常」が続いていた。
その日は、現場へと軽ト
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