木は孤独だろうか?/すみたに
 
つの役が残ってすっかり停滞してしまった。主人公夫婦(老年)、主人公夫婦(青年)と、村人三、それから木の役が二人であった。決まっていないのは男が私を含めて三人で、女が四人だったが、女衆が村人三や木の役は絶対にやりたくないと泣き出す始末であったために、一時全体の配役を見直したが、小学生の強情は周知のとおりで、改められることなく、結局老年時代も青年時代も主人公夫婦は男女ともに女がやることとなった。さて、これで男三人が村人や木をやるということで落ち着くか、そう思った時だった。男の一人が突如席を立ち、先ほどまで駄々を捏ねていた女の一人の頬を引っ叩いたのだ。一瞬の沈黙ののち、耳をつんざくような男女の啼き声が教
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