あずきの恋人 (連載?)/たま
 
間にもどってほしいと伝えたはず。
 あ、いけない、起きなくっちゃあ。
 うっ……。
 なんだか、手や足の筋肉が痛くてたまらなかった。いつか、学校で跳び箱したときみたいに……。
 あれっ、わたし、パジャマを着てる? あ、もう人間にもどったんだ……。

 重いからだを手すりにあずけて階段をおりた。
「あらっ、あずき、だいじょうぶ?」
 おかあさんはリビングの床に掃除機をあてていた。
「うん、だいじょうぶよ。ちょっと、足が痛いの……。」
「足? どうして……。」
「ん……、わかんない。」
 もう、十時をすぎていた。
「ねぇ、あずき。おとうさんね、きょうから三日ほど出張だから、晩
[次のページ]
戻る   Point(14)