あずきの恋人 (連載?)/たま
てくれた。わたしがしっぽをふると、外山先生もしっぽをふって、
「じゃあね……。」って。
ちょっと、さみしかったけれど、わたしはもうすっかり疲れきっていた。ちいさな灯りのついた部屋に入ると、ベッドのうえにまるくなって、眠ってしまったの。
窓の外があかるくて、もうすっかり、日はたかく昇っているみたい。わたしはベッドのうえで、ぼんやり目がさめた。
しばらく、天井をみつめていたら、ゆうべの出来事がすこしずつ、よみがえってきた。
夢だったかもしれない……。
そう思ったけれど、でも、そんなことない。たしかに、わたしは猫になって、外山先生と会うことができた。そして、もういちど、人間に
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