あずきの恋人 (連載?)/たま
 

 鈴木さんと、大王さまはスロープに向かって、ゆっくりあるいて行った。そうして、青白い灯りのなかに立って、わたしに手をふってくれた。
 さようなら……。
 わたしもちいさく、手をふった。

 あかるい星空に、灰色の円盤は音もなく吸い込まれて行った。
 ちいさな、ちいさな、オレンジ色のひかりの輪をひとつ、地球にのこして……。


                  つづく











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