あずきの恋人 (連載?)/たま
 
ロー……。

 アー……。

 やがて、大王さまの腕のなかで、イチローは消えた。

「ふむ、あずきさん、あの子はぶじにもどりましたよ。もう、会えないかもしれんが、それは、しかたないことじゃ。あの子の時間を、もどしたのじゃからの。」
 うん……、いいの。
 きっと、どこかに、中学二年生にもどった外山先生がいる……、わたしはそれだけでうれしかった。
「大王さま……、わたし、かならず、会えると信じています。外山先生は、そんなに、とおくない未来に、きっと、また会えるって、言ってました。だから、わたし、信じています。」
 ぐぉっ、ほっ、ほっ、ほっ、ほっ、ほっ……。
「ふむ、ふむ、そうじ
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