あずきの恋人 (連載?)/たま
 
 東の空にいつの間にか、オレンジ色した淡い月がでていた。

「あ……、もう、こんな時間だから、お家に帰りましょうか。」
 やだっ、そんなの、ずるい!
「外山先生……、わたしどうしても、もういちど会いたいの。このまま会えなくなったら、わたしも、くるしくてたまらなくなっちゃう……。わたし、まだこどもだけど、もうすこし、おとなになって、もういちど、外山先生に会いたい……。ねぇ、だめですか……。」
 そんなこと、夢かもしれない。でも、いまここで、わたしの気持ちを外山先生に伝えなければ、ほんとうに会えなくなってしまうような気がした。
「あずきさん、またいつか……、ぼくに会えるかもしれないよ。」
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