【HHM(第6回批評祭)参加作品】田中宏輔はクマのプーさんのミツをなめたか?/こひもともひこ
らない、なんてことはありません。重複しているものもありますが、単純に70個の引用文=70冊の本を読まなければ読み解けない詩なんて誰も読まないものです。この作品にはそんな秘密があるようには私は思いません。では、どうやって読んでいくのか? これだけ沢山の引用文を使って作品を書き上げたということから導き出せることとはなんでしょうか。
答えは「情報の連なりを利用する」ということではないでしょうか。
沢山の本や情報に接した経験のある人なら分かることですが、われわれが表現する物事は、かつて誰かによって作られた(書かれた)物の影響の下にあります。これは音楽や芸術全てにいえることです。昔の人がやったこ
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