【HHM(第6回批評祭)参加作品】田中宏輔はクマのプーさんのミツをなめたか?/こひもともひこ
 
」調で書かれている文章の途中で、いきなり「だ・である」調が出てくると変な文章になるのだ。ところがこの『Pooh on the Hill。』は、しっちゃかめっちゃかな口調をつなげてしまっています。書き方になんらかの決まりや約束事のない(少ない)詩といえども、ここまでしっちゃかめっちゃかに書かれた作品というのは、駄文・駄作として接せられるのが普通でしょう。ところが「引用文で成り立っている」という(無)意識の働きにより、駄文だから読む価値なしの作品とはならず、むしろ、へんてこりんな言葉のつなぎ方がおもしろい作品という印象を与えることに成功しています。

文章を「読もうとする」意識は普通、作品に一定の
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