【HHM参加作品】「yo-yo「紙のおじいちゃん」について」/葉leaf
 
々な規範から逸脱することは、読者の隠された願望でもあり、詩は読者の願望充足の空間としても機能する。読者は、詩が暴虐の限りを尽くして規範を逸脱するのを見守ることにより、心の浄化を感じるのである。

紙のおじいちゃん


おまえに綺麗な紙のきものを着せたったら
紙人形のように可愛いやろなあ
そんなこと言うてはったおじいちゃん
いつのまにか
紙のおじいちゃんになってしもて

あれは風のつよい日やった
中学生やった私は下校の途中で
なんや空の方からおじいちゃんの声がしやって
凧のようなもんが街路樹に引っかかっとってん
ひらひら ひらひら
そんなとこでなにしてはんの
おじい
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