あずきの恋人 (連載?)/たま
しれない。もし、中学生のままだったら、おかあさんに恋をすることはなかったと思うし、たとえ、恋をしたとしても、こんなにくるしくはなかったでしょう。あ……、でも、もうすこし猫でいたら、忘れちゃうかもしれない……、おかあさんのことはね。」
外山先生はさみしそうに笑って、そう言った。
「え……、でも、それはだめ! だって、あした、鈴木さんは帰っちゃうの! そしたら、外山先生はもう、もどれなくなっちゃうって言ってたのよ、ねぇ……、お願いだから、いますぐ、人間にもどってほしいの……。」
「あずきさん、ありがとう……。あずきさんも、おかあさんもやさしいね。ぼくは、猫のままで生きていきます。鈴木さんがいな
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