あずきの恋人 (連載?)/たま
たれのうえに、つんっと、背すじをのばしてすわった。
「やぁ、あずきさん、元気にしてましたか?」
「……、外山先生!」
それは、まちがいなく外山先生の声だった。
あ……、やっと、会えた。
「あずきさん、そんなとこにいないで、ベンチにあがりなさい。」
うん……。
ベンチにあがると、外山先生も背もたれからおりてきて、ふたりならんで腰かけたの。なんだかうれしくて、わたしのしっぽがだらしなく動いていた。
「ねぇ、あずきさん、絵本は進んでますか?」
「ううん、ちっとも……。」
「うん、そうだね、むずかしいよね。じゃあ、なにかヒントをあげようかな……。」
う、うん……。
「えー
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