風の顔 /
服部 剛
晩飯のおかずを箸で摘み
炒めたもやしを、食っていた。
一本の長く萎びたもやしが
「風」という文字になり
誰かの顔のように
皿にへばりついて、僕を見た。
もしかしたら
「風」は
日々のあちらこちらにいるかもしれない
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