凧(カイト)/Lucy
 
みさえして

いつか自由に
いつか独りで
遠くへ
さらに遠くへと
飛んでいくことを夢みていた

風を切り
雲を追い越し
願う力で
飛んでいるのだとかたく信じて

いつの日か
(たぶんもうじき)
糸を持つ手が消える時
僕は自由に
そして失速するだろう

逆さまに
斜めに
流れる空と海の間を墜落しながら

僕は思い出すだろう
糸の名前を
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