あずきの恋人 (連載?)/たま
あさんもね、イチローが好きなんだよ、きっとね……。おとうさんにはナイショだけど……。
わたしもいつか、恋をするのかなぁ。三十歳はだめだけど、年上がいいな……。みっつぐらい……。
うふっ。
玄関のチャイムが鳴ったような気がした。
あ……、おとうさんが帰ってきたみたい。
わたしは部屋の電気をちいさくして、タオルケットをかぶって、ベッドにもぐりこんだ。階段をあがってくる足音がする。おとうさんだ。部屋のドアがすこしひらいて、おとうさんの気配がして、ドアはすぐにしまった。
やれやれ……、さいごの関門は突破したみたい。
あっ、そうだ! 窓をあけなくっちゃあ……。
窓を十五セ
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