あずきの恋人 (連載?)/たま
 
をあびたら、目や、鼻のおくがつんって、痛くなって涙がでそうだった。猫も犬も、たいへんなんだ。
 ようやく、団地の入り口にちかい山茶花の垣根がみえてきた。よし、もうすこしだと思ったとき、垣根の下から、まっ黒なかたまりが飛びだしてきて、わたしのまえをふさいだ。
 え……、猫? 
 ちょっとこわい顔をした、おおきな黒猫だった。
「おい、おまえ、あまりみかけねぇ面だなぁ。どこのガキだい?」
 ガキ……って、えっ、猫がしゃべった!
「なぁ、おい、ちょっと、おれとつき合えよ。」
「え、わ、わたし……? あ、だめです。わたしいそがしいの。」
 わたしもしゃべったの!
「へー、いそがしいって、こ
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