恋わずらい/
nick
重たい私を乗せてはしれ
帰りたくない家へと電車よ
スーツケースを持つ手は痺れ
ぴりぴりと虚脱への警鐘となる
人としてこうであれ
一部として箕帚執れ
朝のこの上なく美しい時間は
1秒ずつ花に分け与えよ
見えているものを見ないこと
見えないものが見えること
より欲しいのはどちらの能力かなんて
どうしていつまでも思案していられる?
野良猫が媚びて纏わり付く
スーツケースに抜け毛が付着する
もし可能であるならば
秩序というものを殴りたい
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