あずきの恋人 (連載?)/たま
えっ……、
「どうして? どうして会えないの。」
「外山先生はね、また、猫にもどっちゃったんだよ……。」
猫に……?
えっ? なによ、それ……。
「鈴木さん! わたしね、すごく真剣なの! ほんとうに外山先生のこと知っているのだったら、ちゃんと話してください。おねがい……。」
わたしはまた、泣いちゃいそうだった。
となりの部屋にはちいさなタンスがあった。鈴木さんはタンスのまえにしゃがんで、いちばん下の引き出しから、なにか黒っぽいものをだしてきて、テーブルのうえにおいた。
「これをみてもまだ信用できないと思うけど、これはね、あの子の学生服なんだよ。」
あの子
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