あたらしい歌 /服部 剛
家に帰って、腰を下ろし
一才の周をだっこすれば
小さいいのちの温もりが
このお腹にあったかい
この両手を
短い足の膝下に組んで
右に左に、ゆさり、ゆさり
パパは君の揺りかごになろう
くたびれたので
お腹に寝かせておいた周が
くるん、と寝返り
僕の顔をめがけて這ってくる
パパは君の山になろう
登山の途中で、一休み。
短い足をぱたぱたする、周よ
いずれはパパの体をひょいと下り
いつか君が立つであろう
明日の舞台をパパは夢見ている
友達と手をつないで
足踏みをして
皆のあたらしい歌が
ホールに響き渡る日を
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