あずきの恋人 (連載?)/たま
もう、文化会館のひろい駐車場がみえた。
駐車場には十台ぐらいの車がとまっていて、自転車置き場にもバイクや自転車がならんでいた。
玄関の木製のドアをあけてなかに入ると、ついこないだ来たばかりのひろい廊下は、エアコンが効いていてすごく涼しかった。一階の事務所のドアはあいていて、受付のひくいカウンターがみえた。
カウンターの向こうには、頭のしろいおじさんがひとり机に向かってすわっている。
「あの……。」
わたしはおじさんに声をかけた。
「はい……、なんですか?」
「わたし、こないだの絵本教室に参加した、井上あずきですけど……、外山先生の連絡先を教えてもらえないでしょうか?」
「絵
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