あずきの恋人 (連載?)/たま
 

 堤防の
 コンクリートの 
 急な階段をのぼると
 わたしの街がみえた
 
 少年野球のグランドや 
 テニスコートや 
 あおい畑がひろがる 
 河川敷のひろい河の向こうには
 おおきな建物が 
 いくつもならんで
 街の真ん中には
 小さく 
 しろいお城がみえた

 東の空には 
 宇宙までとどきそうな
 入道雲がどこまでも どこまでも 
 高くかがやいて
 そのしたには 
 あかい鉄橋が 
 河をわたって
 とおい街へと 
 わたしたちを運んだ
 
 北の空のしたには 
 背のひくい家や 
 あかるい色をした病院の建物や
 猫又
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