あずきの恋人 (連載?)/たま
、帰るんですかぁ。」
外山先生もおどろいたみたい。
「はい、はい。あたしの仕事はもう、おしまいだよ……。すっかり、疲れちゃったわ。」
えっ、仕事って……、なによ、このおばさん?
鈴木さんは手早く、机のうえを片付けると、おおきな紙袋をひとつ手にぶらさげて、ドアのまえに立った。そうして、外山先生とおかあさんに、ちいさく頭をさげてから、
「じゃあ、あずきちゃん、元気でね。」
……って。
「うん……。」
鈴木さんはなんだかさみしそうな顔をして言ったから、わたしは思わず、うなずいちゃった。
パタン……。
ちいさな木のドアをしめて、鈴木さんはでていった。
「あれ……、ほん
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