リバース/山中 烏流
 


きみは

、とよんだ



***



冷たくなった缶コーヒーを片手に
口笛を吹いて
あの子は帰路を辿る

きらきらした、どろどろしたものは
もう
どこにも見なくなって
這いずったり
縋りついたり
うそぶいたりしながら


あの子は



***



あの子は大人になってしまった


きみは
そう言って背を向けて

いつか遠い日の夢の先に
駆けて
いってしまった










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