方言について/小川 葉
 
じゅう、どの街も同じような景色になってしまった、原因とは言えないか。
方言は、大切である。
どれだけ地域社会を近代化させ、効率化させたとしても、そこで暮らしているのは人間だからなのである。
逆にいえば、はじめに地域があり、人間は、そこで生活させてもらっているのである。
私は子供に、方言を伝えなければならない危惧を感じた。
さもなければ、やがて子供たちは、地域の感覚、ニュアンスを疎外した、効率ばかりを優先する、おかしな大人になってしまうかもしれない。
なぜなら、そうしてこの国を画一化させてきた、さみしさ、失敗を、現代の大人である私たちが、誰よりも痛感しているはずだからである。


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