お茶碗、隠さないでよ/カマキリ
またそういうこと言うもんだから
誰かがいろんな勘違いを始める
もともと夜行性なもんだから
朝が待ち遠しいのを知っている
端が凍った水たまり
ガスマスク着用が義務付けられた極彩色の町の中
前を往く人との間にできてしまった大きな海溝と
冷めたナポリタンを出すお店
小銭しか持ってないし息しかできない
あそこで蝶々が羽ばたいてコールサイン
ガス灯が僕の不安をちらりちらりと見せてくる
螺子を食べる動物
黄色いプラスチックの半透明な下敷き
そこから見た優雅な散歩道
祈りを充填したロケットに縋って
泣き叫んでいるのは金星の蟹
みんなまるでエイリアン
立て付けの悪い、アクマみたいな声を聞いて
おかえり、おかえり
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